基礎戦略

ギャップコンセプトの紹介~テキサスホールデムポーカー理論~

テキサスホールデム・ポーカーには「ギャップコンセプト」という概念があります。ギャップコンセプトはプリフロップで相手のハンドレンジを絞り込んだり、自分がどのようなアクションを取るべきかを考えるにあたり非常に重要な概念です。

 

本稿ではギャップコンセプトの考え方と実際のプレイへの活かし方を紹介します。

 

ギャップコンセプトとは

「ギャップコンセプト」とは、有名なポーカーの作者David Sklansky(デービッド・スクランスキー)が最初に提唱した概念で、プレイヤーがオープンレイズする場合よりも、オープンレイズに対してコールする場合にはより良いハンドが必要である、という概念です。

 

例えば、ミドルポジションからあなたまでフォールドで回ってきた場合は、AJsはオープンレイズできるハンドです。しかし、UTGからタイトなプレイヤーがオープンレイズしている場合、AJsであってもコールするのは微妙な選択です。多くの場合はフォールドしておくほうが無難です。

 

このように、アーリーポジションのプレイヤーはレイズする場合に良いハンドを持っている可能性が高いため、それコールするためには「アーリーポジションのプレイヤーが持っていそうな強いハンドより、さらに強いハンド」を持っている必要がある、というのがギャップコンセプトの考え方です。

プレイへの活かし方

この考え方をプレイに活かすための方法を紹介します。

 

もし、あなたより早いポジションからのオープン・レイズが入った場合、特に相手がアーリー~ミドルポジションでレイズしてきている場合には、この概念を思い出して、参加する自分のハンドレンジとアクションをよく検討する必要があります。相手のオーブンレンジをコールする場合には相手は「自分のハンドは強い」と主張しており、あなたは(相手のレイズをコールすることによって)「私のハンドはそこそこだ」と主張しているということこの、「そこそこのハンド」が通常のオーブンレンジと同じ位の強さだった場合、何が起こってしまうのでしょうか?

 

ドミネイトされるハンドの危険性

あなたのハンドがそのポジションからのあなたの通常のオープンレイズのレンジよりも強くなければ、あなたは「ドミネイトされている」危険にさらされます。

 

ドミネイトされているということは、あなたと対戦相手が、最大のカードを共有しており、キッカーであなたが負けている状態を指します。例えば、先程の例であなたがAJsでUTGのオープンレイズをコールしたとしましょう。相手はやはりとても強いハンドを持っていて、AKsでした。あなたのハンドは対戦相手にドミネイトされており、この場合、あなたの勝率は約26%しかありません。

 

ドミネイトされているハンドをプレイすることは非常に問題があり、これが「ギャップコンセプト」が生まれた理由です。ボードにエースが落ちた場合、あなたは通常、多くのチップをポットに入れてしまうことになるでしょう。ギャップコンセプトは、そういった難しい状況を回避するために是非とも覚えておきたい概念です。

実際のプレイへの活かし方

実際のプレイにおいては、アーリーポジションからプレイするプレイヤーが常に良いハンドを持っていることもありませんし、ポジションのある所からプレイすることはテキサスホールデム・ポーカーの基本となるため、オープンレイズに対してコールする機会は多く存在します。

 

ギャップコンセプトにおいては、相手がコールしてくるハンドのレンジが狭くなるためアグレッサーが常に有利となります。結局の所、あなたがポジションのあるところでコールする場合には、普段のレンジと比べて十分に強いハンドもしくは、ドミネイトされにくくハンドが完成した時に大きな利益が見込めるスーテッド・コネクターや、セットが完成した時に相手から利益を引き出しやすいポケットペアといった投機的なハンドを選ぶと良いでしょう。アーリーポジションからのレイズにコールする場合には、AToのようなアーリーポジションのプレイヤーのレンジに多く存在し、ドミネイトされやすいハンドよりも98sといったハンドを選ぶほうが利益的です。また、ここで何より大切なことは相手のハンドレンジや場の状況に応じて柔軟にプレイを対応することです。

 

ギャップコンセプトを理解して危険な状況でのプレイを避け、収支を安定させましょう。

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