戦略コラム

地雷を仕掛けろ!セットマイニング戦術とポケットペアの戦い方で考慮すべきポイント5選【中級者向け】

 

あなたのポケットセブンからのレイズに、対戦相手は大きなリレイズを仕掛けてきました。

 

貴方はコールし、ディーラーがフロップを開くのをドキドキしながら見守ります…。

 

クイーン…ジャック…セブン!

 

セブンが開かれた時、貴方の心から不安が薄れ、目は対戦相手のスタックを数えはじめます。どうすればあのチップを全て手に入れられるだろうか…?

 

大きなチャンスに心が踊ります。しかし、注意してください。間違ったタイミングでこの気持ちを追いかけることは、テーブルで犯す可能性のある最も手痛いミスの一つにもなりうるのです。

 

今回の記事では、セットマイニングの仕掛け方と、完成したセットから最大のバリューを引き出すためのタイミングと方法、そしてセットをマックするという英断を下すべきタイミングを考えるにあたって役に立つ5つのヒントをご紹介します。

 

セットマイニングとは?

セットマイニングは、一般的にフロップでセットを作ることのみを目的として、ポケットペアでプリフロップのレイズをコールする行為です。ポケットペアがフロップでセットになる確率は約12%で、裏を返すと約88%の確率でフロップをミスします。相手のベットに対しては、基本的にフォールドすることになるでしょう。しかし、もしあなたが12%の壁を乗り越えてセットをヒットした場合、あなたはポットを大きくし、相手の裏を書いて多くのチップを獲得するチャンスを手に入れるでしょう。

それでは、セットマイニングを行うにあたって注意したいポイントを見ていきましょう。

セットマイニングを成功させるために考慮すべきポイント5選

1.後ろにいるプレーヤーが多いほど、参加するポケットペアを強くする必要がある

多くのプレーヤーが自分より後ろのポジションにいる場合、3ベットを受けるリスクが増大します。これは特に貴方が小さなポケットペアの場合は問題となり、フロップを見る前にフォールドすることを余儀なくされてしまうでしょう。

例えば、UTGがレイズし、貴方がUTG + 1にいる場合、UTGのハンドレンジは非常に狭く(強く)後ろに7人のプレーヤーが控えておりスクイーズのリスクが高いため、強いポケットペア(レイズサイズに応じてTT +、99 +、または88+)のみがコールすることが可能です。しかし、反対に貴方がボタンの場合は、55+という低いポケットペアでコールすることが可能となるでしょう。

また、プレイヤーの人数が少ない場合、後ろのプレーヤーが3ベットする可能性が低い場合は、より多くのポケットペアで参加することが可能となります。例えば、貴方がボタンで、SB,BBがタイト/パッシブプレーヤーである場合、22までのすべてのポケットペアでのコールが正当化されます

2.オリジナルレイザーがスクイーズにコールした場合にセットマイニングを行ってはいけない

これは一見、誤った判断のように感じられるかもしれませんが、ソフトウェアPokerSnowieのシミュレーションでは、これらの状況でのオーバーコールは長期的に負けとなります。その理由は単純に相対するハンドのレンジが強すぎることと、3ベットのサイズはほとんどの場合大きすぎることです。このため、セットマイニングが利益的な選択になることはありません。

このシミュレーションでは相対する残る二人のプレイヤー(オリジナルレイザー、スクイーザー)が十分に強いことを前提としており。12%の壁を超えてセットを完成させたとしても、残る二人から十分なバリューを引き出すことが出来ないことも理由の一つです。したがって、対戦相手のレベルによっては依然としてセットマイニングが利益をあげる可能性はありますが、それ以上に難しい状況に追い込まれるケースのほうが多いでしょう。

ちなみに、スクイーザーに対しオリジナルレイザーがフォールドした場合には、3ベットのサイズ(ポットオッズ)次第でセットマイニングできる可能性があります。

 

3.相手の3ベットサイズを検討する

一般的に議論されているチャートは、対戦相手が標準サイズに3ベットしているという前提に基づいています。つまり、ポジションにあるときは元のレイズの3倍、ポジション外にあるときは元のレイズの3.5倍に3ベットするケースを想定しています。

この標準サイズより小さい(または、大きい)3ベットサイズを使用するプレーヤーと戦う場合は、レンジを3ベットサイズに反比例して調整するようにしてください。つまり、小さいサイズの3ベットに対してはより頻繁に、反対に大きなサイズには少ない頻度でセットマイニングを行うことができるということです。これは、対戦相手の3ベットのサイズが変わると、ポットオッズとスタック対ポットの比率も変わるために起こります。

たとえば、一部のオンラインプレーヤーは、元のレイズサイズの5倍以上にスクイーズします。 PokerSnowieによると、このようなレイズはJJ以上でしかコールできません。 しかし、プレーヤーが非常に小さいサイズ、たとえば元のレイズの2.5倍に絞った場合は、最も低いポケットペアで正当にコールできることになります。

4.対戦相手の3ベットレンジが狭いほど、より多くのポケットペアをコールする必要がある

これは非常に重要な考え方であり、先に見てきたヒントにも関連しています。ケースを使って考えてみましょう。

対戦相手の3ベットレンジが狭い場合

あなたが55から2.5bbでレイズし、対戦相手はボタンから3ベットで12.5bbにレイズしてきました。(有効スタックは100bb)。あなたはこのプレイヤーに関する情報を多く持っており、彼のレンジはAAとKKのみと睨んでいます。

28bbを獲得するには、10bbをコール必要があります。つまり、ポットオッズを考えるとコールするには36%のエクイティが必要ということになります。55はAAとKKのレンジに対して19%のエクイティしか持っていませんが、それでも実際にはコールする必要があります。

何故でしょうか?理由は、フロップでセットが完成したほぼ全てのケースで、彼のスタック全体を獲得することになるからです。セットがフロップでヒットする確率は約12%で、8回に1回です。つまり、セットマイニングから利益を得るには、プリフロップコール(10bb)からポットにすでにあるものを差し引いた8倍より少し多く勝つ必要があるということです。

したがって、この場合:85bb – 28bb = 57bbが、コールを正当化するために彼のスタックから勝たなければならない金額となります。彼のスタックには87.5bbが残っているので、これは実現可能であり、ボードが彼のAA / KKを脅かすようなもので無い限り、高い可能性で達成することができるでしょう。何故ならば彼のハンドのレンジには十分に強いもののみが含まれており、従って大きなポットを大きくすることができるからです。

対戦相手の3ベットレンジが広い場合

一方、対戦相手の3ベットの範囲が広い場合、セットをヒットしたときに十分な頻度で相手のスタックを奪うことができないため、コールを正当化することが難しくなります。その理由はこのケースでは対戦相手はほとんどの場合、大きなポットをプレイするために十分な強さのハンドを持っていないためです。

5.実効スタックが低くなるにつれて、より多くのポケットペアを3ベットコールではなく4ベットシャブへと回す

有効スタックが約50bbに下がったとき、かなり強いプレーヤー(ある程度バランスが取れている)に直面していると仮定すると、コールと4ベットオールインの間にほとんど違いはありません。言い換えると、ポストフロップゲームにあまり自信がない場合は、4ベットオールインは有効な選択となります。

これはトーナメントで最も頻繁に当てはまりますが、プッシュする前にトーナメントの状況を確認することは忘れないようにしましょう。例えば、ショートスタックが多く、バブルが近い場合には、単純にフォールドすることが最適なプレイとなり得るでしょう。

まとめ

セットマイニングは、上手く使うことができればとても有益な戦略となりえますが、地雷が爆発する確率は約12%しかないため、基礎となるメカニズムを理解していないととても難しいプレイでもあります。この記事が、セットマイニングを使いこなしてエキサイティングなポーカーをプレイするための一助となれば幸いです。

(参考URL When Should You Set Mine with a Pocket Pair? These 5 Tips Will Clear Things Up. https://upswingpoker.com/set-mining-poker-tips/)

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