この記事では、ブラフについて記載していきます。よく麻雀経験者がポーカー(テキサスホールデム)をやると「自分のハンドに関係なく、ブラフで勝てるところが面白い。」と言います。テキサスホールデムの大会のハイライトシーンの動画でも、ブラフで相手を降ろしているシーンがよく見られます。テキサスホールデムが運のゲームではなく、スキルゲームと言われるのは、まさにこのブラフがあるからでしょう。
ブラフの種類
ブラフは大きく分けて2つの種類のブラフが存在します。
ピュアブラフ
勝ち目がないハンドで、ベット/レイズを行うことで、相手をフォールドさせることを目的としたブラフです。勝ち目がないので、コールされるとチップを失うことになります。ここで"勝ち目がない"と記載しましたが、「自分が負けているかどうかは分からない」という人もいるかもしれませんが、自分が"負けている"と思って行うベット/レイズはピュアブラフになります。もちろん、以下のようなハンドであれば、勝っていることはない(良くて引き分け)なので、この状態で行うベット/レイズはピュアブラフになります。
<ボード>
<ハンド>
フロップやターンでは、次のカードが落ちるので、確実に負けているという状況は起きません。しかし、"どのカードが落ちても負けているだろう"と思えるのであれば、それは"勝ち目がない状態"であり、このときに行うベット/レイズはピュアブラフになります。
セミブラフ
現時点では、ハイカードなど弱い役だけれども、次の1枚でフラッシュやストレートなど強い役になり得るときに行うベット/レイズのことをセミブラフと言います。セミブラフの目的は2つあります。"相手を降ろすこと"と"相手にコールされた場合に、次のカードで強い役を作ること"です。以下の状況を使って説明します。
<自分のハンド>
<ボード>
<相手のハンド>
フロップの時点では、あなたのハンドはハイカードであり、相手のワンペアに負けています。ここであなたがベットした場合、相手が「Qを持ってる場合、勝てない。」と考えフォールドするかもしれません。その場合、現状相手より弱いハンドで相手をフォールドさせてことになります。一方で相手が「Qを持っていなければ、まだ自分の方が強い。」と考えてコールをした場合、ターンのカードが開かれます。ここでダイヤが落ちれば、あなたはフラッシュが完成するので、先ほどのベットも踏まえてポットが大きくなった状態で強い役を作ることができました。
セミブラフは2つの側面を持っており、非常に効果的なプレーだと言えます。
ブラフの重要性
ポーカーをやっているとブラフは必須のスキルとなります。仮に全てのプレイヤーがブラフを行わなかった場合は、良いハンドを多く手にしたプレイヤーか、よりアグレッシブなプレイヤーが勝利することになるでしょう。ブラフを使うことで、自分のハンドが良くないときや、ボードのカードと自分のカードが絡まなかったときに、チップを手に入れることができます。
ブラフを行う上での注意点
ここではブラフを成功させるために、気を付けるべき点について記載します。
相手プレイヤーの傾向を観察する。
相手のプレイヤーが、コールする傾向にあるか、フォールドする傾向にあるかを見極める必要があります。もちろん後者のプレイヤーに対して、ブラフは有効です。トップヒットやワンペアができている場合に、どれだけベットしてもフォールドしないプレイヤーにはブラフはしない方がよいでしょう。反対に、慎重なプレイヤーで、ミドルヒットくらいでも降りる傾向にあるプレイヤーには積極的にブラフをすべきと言えます。(このプレイヤーがコールしたときは、ピンチとも言えます。)
また、ベット額も重要になってきます。初心者は、フォールドするかどうかをベット額で決めることが多いように思います。ポットの大きさに関わらず絶対額で基準を決めているようなプレイヤーには、基準額以上の額をベットする必要があります。一方で、撤退が早いタイトなプレイヤーには、小さな額のベットでもフォールドさせることが可能です。上級者は、ポット額とベット額からオッズを計算しドローを引きに来たり、ブラフを見抜いている場合はどんな額にもコール/レイズを行ってきます。
自分が相手プレイヤーにどう思われているかを考える。
相手からの印象も重要です。あなたが頻繁にベットをして相手をフォールドさせている場合は、「あいつはブラフばかりしている可能性がある。」と思われ、コールされる可能性があります。その1ハンドでの勝負ではなくテーブルについてからのイメージです。なので、頻繁にベットして相手をフォールドさせているときは、ブラフが成功しにくい状況だと考えられます。もちろん、全てハンドが入っているときにベットをして、相手を降ろしているということもあると思いますが、相手にカードをショーしていないときは、そのプレーがブラフなのかどうかを判断できないので、相手からは「ブラフが多い」と思われている可能性があります。
一方で、あなたが非常にタイトなプレイヤーであり、大きなポットを取るときは、強いハンドを持っているときだけだった場合は、相手プレイヤーは「今回も強いハンドを持っているに違いない。」と考え、フォールドする可能性が高いと言えます。相手からどう見られているかが、ブラフの成功率に影響するということを考えましょう。
プリフロップからストーリーがあるか。
上級者は、この内容を非常に意識しています。これは、ある程度互いのプレイヤーが基本的な戦略に則してプレーしていることが前提になります。強いハンドや強い役のときにレイズする。ハンドレンジをある程度は絞った上でプリフロップでレイズするなどです。ストーリーがあるというのは、プリフロップからフロップ、ターン、リバーの一連のアクションに一貫性があるかということを指しています。
簡単な例で考えてみます。プレイヤーAがプリフロップからターンまでずっとベットしていて、プライヤーBがコールを続けていたとします。フロップでハートが2枚落ちていて、リバーで3枚目のハートが落ちたとします。リバーでプレイヤーAがチェックして、プレイヤーBが大きくベットしたとき、「プレイヤーBはフラッシュドローでずっとコールをしていて、ターンでフラッシュができたから大きなベットをした。」と考えることができます。これはストーリーがあると言えるでしょう。(ちょっと極過ぎる例ではありますが。)