戦略コラム

テーブルの状況を見極めてスタイルを変化させる~ポーカー戦略紹介~

本記事では、ポーカーの戦略として「テーブルに応じてプレイスタイルを変化させる」ことについて記載します。

 

テーブルに適応した戦略の3ステップ

相手を見極める

席に座ってまず最初にやるべきことは、テーブルの他のプレイヤーのスタイルを見極めることです。

 

テーブルで得られる他プレイヤーの情報のうち、最も大切なものの一つとしてハンドレンジがよく挙げられます。ハンドレンジはある程度ハンド数をこなし、彼らがオープンしたハンドからしか答え合わせをすることはできません。しかし、実際にはその他にも、見るべき要素はたくさんあります。ここでは相手を見極める際に見るべきポイント、特に次のステップとなる「フィッシュを見極める」ために見るべき点を紹介します。

 

ハンドの参加率

参加率は最も重要な要素の一つです。参加率が高いプレイヤーは相対的に弱いハンドを持っている可能性が高いといえます。

 

参加率が15-25%のプレイヤーが一般的なタイトスタイルで、30%を超えるとややルース。35%を超える場合にはとても弱いハンドでも参加している可能性が高く、狙い目となります。また、多くのハンドでリンプしているプレイヤーは特に狙い目です。とても強いプレイヤーでオープンリンプを行うプレイヤーもいますが、基本的にはリンパー=狙い目と考えて良いです。

 

反対に、参加率が10%-15%程度のプレイヤーが参加してきた場合はとても強いハンドを持っている可能性が高く注意が必要です。

プレイヤーのアグレッション

アグレッシブなプレイヤーなのか、パッシブなのかということはとても重要なファクターです。フロップ後にCBを打ってくる確率はどれくらいか?ドローハンドを持っている場合にセミブラフをしてくる確率はどれくらいか、自分から別途していくことが多いかコールすることが多いか、等が検討するポイントとなります。

 

特定の状況下で、人間は意識しないと決まった行動をとることが多く、これらの傾向を見極めることは自分のアクションを調整する上で重要です。狙い目となる経験の浅いフィッシュプレイヤーはなおさら、決まった行動を取る場合が多いです。

 

ハンドの好み

これは中級者以上には見られない傾向ですが、フィッシュプレイヤーはハンドに好みを持っている場合が多いです。具体的には、スーテッドコネクター・ポケットペア・エースの過大評価が挙げられます。また、これらのハンドが入った場合にプリフロップをオープンレイズするかリンプするかの傾向が他のハンドと異なる場合も多いです。

 

エースを過大評価するプレイヤーの場合、自分がAでドミネイトできるハンドを持っている場合や、ミドルスーテッドコネクターで参加してハンドがメイドした場合に大きな利益を得るチャンスです。なぜなら彼らにとってAがボードにヒットした場合に降りることが非常に難しいからです。

ベット額

ベット額のテルも中級者以上には見られませんが初級者にはありがちなリークです。しかし、こなせるハンド数が少ないライブポーカーにおいては、基本的にフィッシュの極端に低いベット額や、反対に高いベット額には付き合わないほうが無難です。プリフロップでこちらがプレミアムハンドを手に入れた時にはその限りではありません。トリッキーなプレイを仕掛けたフィッシュに反撃し、最後までチップを吐き出してもらいましょう。

 

フィッシュを狙い撃つ

さて、テーブルの他プレイヤーの分析が終わったら次にすべきことは、つけ込みやすい隙を持っているプレイヤーに狙いを定めて狙い撃ちにすることです。狙い撃ちにする、と言っても彼らのオープンレイズに対して毎回コールして付き合っていては自分のほうがフィッシュになってしまいます。

 

ここでは、フィッシュの捕まえ方と、叩く際に気をつけるべきポイントを紹介します。

ポジションを取る

フィッシュを捕まえる際に最も重要なポイントはポジションを取ることです。

フィッシュのプレイ傾向を見極めたら、アグレッシブなフィッシュに対しては自分が強いハンドを完成させた場合にポットをより大きく膨らませパッシブなフィッシュに対してはドローハンドで安く次のストリートを見に行きましょう。

 

反対に、間違ってもアグレッシブなフィッシュにマージナルなハンドで付き合ったり、パッシブなフィッシュにブラフを仕掛けてはいけません

ブラフ頻度を下げる

先に分析した結果によるとフィッシュは広いレンジのハンドを持っています。もしかすると、気まぐれでプレイスタイルを変えているかもしれません。フィッシュ相手にハンドレンジと、彼らのアクションからの推測に基づきブラフを打ったとしても思いもよらないハンドが出てきて煮え湯を飲まされるという事にもなりかねません。

 

また、フィッシュの中にはそもそも降りることを知らないプレイヤーも多く、そうしたプレイヤーにブラフは通じません。フィッシュ相手にはブラフ頻度を下げ、バリューベットを増やしていきましょう。

オッズは通用しない

ドローハンドを追いかけるフィッシュにはオッズが通用しない場合が多いです。特に、フラッシュドローは何が何でも追いかけるタイプであったり、ガットショット・ストレートドローでコールしてしまうフィッシュが多く見受けられます。

 

そうしたプレイの傾向を突き止めたら、ドローと思われるハンドでついてくるフィッシュに、次のカードを見るために通常のオッズを消すために必要な額以上の大きな代償を支払わせてやりましょう。反対に、自分がリスクを小さく抑えたい場合にはいくら打っても降りずについてくるためポットを小さくコントロールすることも対策の一つです。

 

シャークとの戦いを避ける

最後に考慮すべきは、「シャークとの戦いを避ける」ということです。なんだかとても情けなく感じられるかもしれませんが、テキサスホールデム・ポーカーで勝つ(=稼ぐ)ということを目的にした場合、稼ぎやすい相手と稼ぎにくい相手が存在します。ここでシャークとは、経験豊富で自分のプレイスタイルに適応して来る上級者を指します。なんだか曖昧な表現ですが、暫くプレイすればハンドレンジと共にアクションからも見えてくるでしょう。

 

また、極端にタイトなプレイヤーも相手にしないほうが良いでしょう。彼らは参加率が低い代わりに参加してきた場合にはモンスターハンドを持っている可能性が非常に高く、こちらがそこそこ良いハンドを持っていたとしても不利な勝負を強いられる可能性が高いです。

 

ポーカーで安定的に勝ち続けるためには稼ぎやすいところから稼ぐことが必要です。稼ぎたいならば、「俺は、俺より強いヤツに会いに行く!」という気持ちは捨てて、自分より強い相手に真っ向勝負を挑むことは可能な限り避けましょう。

 

シャークのオープンレイズには慎重に対応し、テーブルでフィッシュを狩ることに気を取られて強者とかち合って自分がフィッシュにならないように注意しましょう。

 

それでもシャークと戦わねばならないときは・・・

シャークと戦う際に気をつけたいポイントは以下の通りです。

ポジションを取られない

ポジションがない位置でシャークに主導権を取られることほど簡単にチップを失う方法はありません。シャークのオープンレイズに対してはレイズorフォールドを徹底し、不利な位置でコールさせられる状況を避けましょう。

 

反対に、自分より良いポジションにシャークがアクションを控えている場合には、レンジを多少絞りコールされたとしてもフロップ以降を戦える状況を作るようにすると良いでしょう。

 

ポットを小さくコントロールする

ハンドをメイドした際も、慎重にポットをコントロールしていきましょう。TPTK(トップペア・トップキッカー)などの中途半端なハンドでポットを膨らませることは避けましょう。なぜなら彼らはあなたがナッツハンドを持っている場合にはすぐに逃げ出し、あなたより強いハンドを持っている場合にあなたのチップを全てポットに入れさせる術にも長けているからです。

 

読みの鋭いシャークから大変な思いをしてシン・バリューを取りに行かずともフィッシュから大きな利益を得るチャンスはたくさんあります。

最後に

いかがでしたでしょうか。本記事で紹介した内容はライブでもオンラインでも使える戦略ではありますが、ライブの方が時間あたりのハンド数が少なく、テルなどからより多くの情報を得ることができるため適していると言えます。

 

テキサスホールデム・ポーカーにおいて、経験があるプレイヤーのハンドレンジや、特定のシチュエーションでとるアクションは、ある程度は固まっています。そうしたプレイヤーの癖につけ込み、状況に応じてプレイスタイルを変化させることができるようになることは、更に上のステージに行くために不可欠です。

 

最後に、ポーカーで有名な格言に「テーブルを見回して誰もFish(カモ)がいなければ、誰がFishであるか明らかである」というものがあります。フィッシュを狙いうちにするつもりが、自分のプレイが乱れて自分自身がフィッシュにならないよう、冷静にプレイしましょう。

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