今回の記事では、GGPokerのスマートHUDについてご紹介します。内容が非常に長くなるので、前編と後編の2つの記事に分けます。
スマートHUDとは
そもそも、HUDとは、「Heads Up Display」で相手のハンドやアクションを統計として収集して表示する機能です。オンラインポーカーでは、HUDを使うことで有利にゲームを進めることができます。
GGPokerでは、デフォルト機能としてHUDの機能が備わっています。それがスマートHUDです。
テーブルで対戦相手をクリックすると表示される上図のようなものがスマートHUDです。
スマートHUDの「簡易版」と「詳細版」
スマートHUDには、大きく2種類あります。
簡易版:4つの指標を表示
詳細版:多数の指数を表示
今回の記事では簡易版について説明します。詳細版についてはこちらをご確認ください。
簡易版のスマートHUDは、「相手プレイヤーの情報」と「相手プレイヤーから見えている自分の情報」です。
どのゲームであっても、相手プレイヤーのアイコンをクリックすると、スマートHUDが表示されます。もちろん、相手プレイヤーも自分のスマートHUDを見ることができます。自分のアイコンをクリックすると、自分のスマートHUDが表示されます。
<相手プレイヤーの情報>
<相手プレイヤーから見えている自分の情報>
4つの指標
ここからはスマートHUDに表示されている4つの指標について説明します。「All-In or Fold」だけは少し変わった表示になるので、「通常のゲーム」と「All-In or Fold」で分けて説明します。
通常のゲーム
<VPIP (Voluntarily Put Money In the Pot)>
プリフロップで、「レイズ」や「コール」をした割合です。以下の場合は、VPIPは30%になります。
フォールド | 6ハンド |
チェック(BBをポスト時) | 1ハンド |
コール | 2ハンド |
レイズ | 1ハンド |
合計 | 10ハンド |
→(2+1)/10 = 30%
プリフロップでチェック(BBをポスト時)し、フロップやターンで自分が「ベット」「レイズ」「コール」してもVPIPとは関係ありません。VPIPは、あくまでプリフロップのアクションです。
また、VPIPはプレイヤーのアイコンの左下にも表示されます。
VPIPが高いプレイヤーは、いろんなハンドで参加していることになるので、ハンドが弱い可能性があります。一方、VPIPが低いプレイヤーは、ハンドを絞ってゲームに参加しているので、持っているハンドが強い可能性があります。
<PFR (Pre Flop Raise)>
プリフロップでレイズした割合になります。以下の場合は、VPIPは10%になります。
フォールド | 6ハンド |
チェック(BBをポスト時) | 1ハンド |
コール | 2ハンド |
レイズ | 1ハンド |
合計 | 10ハンド |
→1/10 = 10%
プリフロップで以下のようなアクションを行っても、プリフロップのアクションは「レイズ」となりPFRの対象となります。
例1
プレイヤーがUTGでコール
SBまでフォールド
BBがレイズ
プレイヤーがUTGでリレイズ
例2
プレイヤーがUTGでテーブルに座りBBを払う。アクションはチェック。
SBまでフォールド
BBがレイズ
プレイヤーがUTGでリレイズ
PFRは、VPIPと合わせて確認するようにしましょう。VPIPとPFRが同じような値の場合は、そのプレイヤーは「コール」する頻度が低いと言うことになります。例えば、そのプレイヤーがBBだとすると、他プレイヤーがレイズでオープンすると、「フォールド」か「レイズ」が返ってくる可能性が高いと言えます。
<ATS (Attempt to Steal)>
ポジションが「CO、BTN、SB」のときにスティール(レイズしてブラインドを取る)を試みる割合です。前述したVPIPやPFRは全てのハンドが対象でしたが、ATSは特定のハンドのみが対象となります。
【対象のハンド】
・ポジション:CO、BTN、SB
・自分まで「コール」や「レイズ」のアクションが入っていない。
【スティールとなるアクション】
・上記の状態で「レイズ」を行った場合
つまり、「 ATS = スティールとなるアクション数 / 対象のハンド数」です。細かく記載すると「スティールができるハンドのときに、ステイールを行った割合」です。
プリフロップで以下のようなアクションを行っても、ATSの対象となりません。(自分までに「コール」や「レイズ」のアクションが入ったから)
例1
UTGがコール
COまでフォールド
プレイヤーがBTNでレイズ
例2
UTGがレイズ
COまでフォールド
プレイヤーがBTNでリレイズ
ATSはトーナメントでより力を重視される指標です。ATSが高いと言うことはスティールを狙う率が高いので、強くないハンドでレイズしている可能性があります。自分がBBで相手がATSが高いプレイヤーならリレイズするのもありですね。
<3BET (Raise 3-Bet)>
3bet(レイズが入った状態でさらにレイズ)する割合です。こちらもATSと同様に特定のハンドのみが対象となります。
【対象のハンド】
・自分まで「レイズ」のアクションが入っている
【3BETとなるアクション】
・上記の状態で「レイズ」を行った場合
つまり、「 3BET = 3BETとなるアクション数 / 対象のハンド数」です。細かく記載すると「3BETができるハンドのときに、ステイールを行った割合」です。
プリフロップで以下のようなアクションを行っても、3BETの対象となりません。
例
UTGがレイズ
COがリレイズ
プレイヤーがBTNでリリレイズ
→これは4BETとなるので3BET扱いにはならない。
リングゲームでもトーナメントでも3BETの割合が少ないプレイヤーから3BETのアクションが入った時は、高い確率で非常に強いハンドを持っています。なので、素直におりましょう。
All-In or Fold
<オールイン>
全ハンド中、オールインした割合です。ここでのオールインは自分より前にオールインが入っているかどうかは関係ありません。とにかくオールインしたかどうかの割合です。
また、「オールイン」はプレイヤーのアイコンの左下にも表示されます。
<ATS (Attempt to Steal)>
ポジションが「CO、BTN、SB」のときにスティール(オールインしてブラインドを取る)を試みる割合です。前述した「オールイン」は全てのハンドが対象でしたが、ATSは特定のハンドのみが対象となります。
【対象のハンド】
・ポジション:CO、BTN、SB
・自分まで「オールイン」のアクションが入っていない。
【スティールとなるアクション】
・上記の状態で「オールイン」を行った場合
つまり、「 ATS = スティールとなるアクション数 / 対象のハンド数」です。細かく記載すると「スティールができるハンドのときに、ステイールを行った割合」です。
<フォールド>
全ハンド中、フォールドした割合です。当たり前ですが、前述の「オールイン」と逆の割合です。
フォールド = 100% - 「オールイン」の割合
<FTA (Fold to ATS)>
自分がSBかBBのときに、相手のオールインに降りた割合です。前述した「オールイン」は全てのハンドが対象でしたが、FTAは特定のハンドのみが対象となります。
【対象のハンド】
・ポジション:SB、BB
・自分まで「オールイン」のアクションが入っている。
【FTAとなるアクション】
・上記の状態で「フォールド」を行った場合
つまり、「 FTA = FTAとなるアクション数 / 対象のハンド数」です。
まとめ
今回の記事ではGGPokerのスマートHUDについて紹介しました。この4つの指標の意味を覚えておけば、判断に困る難しいシチュエーションで何かの手がかりになるかもしれません。後編も是非読んでみてください。
後編
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