テキサスホールデムにおいてスーテッドコネクターをいつ(どのように)プレイするかというのはAAのようなハンドと比べてとても難しくなります。スタックサイズや対戦相手のスタッツなどの重要な要素を考慮することを怠ると、これらのハンドで手痛いミスを犯す可能性が高まります。
本記事では、スーテッドコネクターをプレイする場合に回避すべきミスを理解するのに役立つ5つのヒントと、スーテッドコネクターを使って利益を最大化する方法についてご紹介します。
スーテッドコネクターとは?
スーテッドコネクターコネクターは、2枚の連続した同じスートのカードの組み合わせです。 例えば下記の画像のようにクラブの8とクラブの9はスートが同じ:スーテッド+連続した数字:コネクターなので、スーテッドコネクターと呼ばれます。
また、2つの数字の間があいている(ギャップが有る)スーテッドハンド、例えばT8、J9などは、スーテッドギャッパーと呼ばれます。T8、J9など数字1つ飛ばしをワンギャッパー、T7、J8など2つ飛ばしをツーギャッパーと呼んだりもします。
それでは早速ヒントを見ていきましょう。
1.60BB以下のスタックに対する3ベットは避ける
プリフロップレイザーのスタックが60BB未満の場合、スーテッドコネクター、特に65sや76sのような低いコネクターで3ベットすることは避けましょう。反対にプリフロップレイザーのスタックが深い場合、これらのハンドは以下の3つの理由から3ベットブラフとしてうまく機能します。
理由1:プリフロップで貴方のものよりも良いハンドをフォールドさせられる
理由2:プリフロップを強くプレイすることが可能となり、ポストフロップにもブラフのチャンスが生まれる
理由3:2ペア、トリップ、ストレート、フラッシュなどがヒットした場合に、非常に大きなポットを獲得するチャンスが有る(インプライドオッズが高い)
しかしながら、ショートスタックを相手にする場合、スタックとポットの比率によって、ポストフロップでの相手の選択が狭まり理由2の効果が小さくなります。更にインプライドオッズが減少し理由3が機能しなくなります。
以上の理由から、ショートスタックに対するスーテッドコネクターでの3ベットは収益性の低いプランとなってしまいます。
2.コーリングステーションに対する3ベットは避ける
スーテッドコネクターを使用した3ベットはブラフであり、従ってフォールドを好まないプレーヤーに対しては効果が低くなります。対戦相手がフォールドする可能性がほとんどない場合、ハンドを3ベットするという大きなインセンティブを失います。
さらに、これらのプレーヤーのコールレンジには、あなたのハンドをドミネートするハンドが多く含まれることになります。(通常、他のプレーヤーならばフォールドするハンド)例えば、65sと87sを支配するA6s、K7s、J8sのようなハンドでコールされた場合。貴方がフラッシュをヒットしたときに、バリューが取れないどころかもっと厄介な状況に追い込まれる可能性すらあります。
3.スーテッドコネクターで4ベットはしない
どのハンドが最高の4ベットブラフをとなるかを考えるとき、考慮すべき事柄は3つあります:
1.ブロッカー
2.フロップ後のプレイアビリティ
3.インプライドオッズ
これら3つのうち、最も重要なのはハンドのブロッカー効果です。これは、4ベットが発生するシチュエーションにおいて想定されるレンジは非常に狭く、対戦相手のレンジからいくつかの強いハンドを除外できることが戦略に大きな違いを生むためです。
スーテッドコネクターには、実際にはマイナスのブロッカー効果があります。対戦相手の3ベット/フォールドレンジ(A5やA6など)からハンドをブロックし、プレイを継続する強いハンドをブロックしません。
確かにスーテッドコネクターでのブラフは高いプレイアビリティとインプライドオッズの両方を持っていますが、4ベットポットの低いスタック対ポット比を考えると利益的なプレイになることはほぼ無いでしょう。
4.オーバーコールを避ける(ビッグブラインドを除く)
心情的には、スーテッドコネクターでオーバーコールしたくなる場面は多いかもしれません。しかし、ビッグブラインドでない限り、それは避けるべき負けプレイです。その理由を考えてみましょう。
例えば、全てのプレーヤーが100BBの有効スタッツを持つ6マックスゲームを考えてみます。ミドルポジションのプレイヤーが2.5BBでオープンレイズ、カットオフがこれをフラットコール、貴方はボタンで6♦5♦のケースを想定します。
これらの二人のプレイヤーのレンジに対して、どれだけのエクイティがあるかを確認し、ポットオッズに基づいて利益を上げるために必要なエクイティを確認してみます。
ポットオッズの計算
ポットオッズ= 2.5bb(貴方のコール)/ 2.5bb(PFRのベット)+ 2.5bb(コールドコーラーのコール)+ 2.5bb(貴方のコール)+ 1.5bb(ブラインド)
ポットオッズ= 2.5bb / 9bb
ポットオッズ= 0.27 = 27%*必要なエクイティ
*この計算ではレーキを考慮していません。例えば5%のレーキがあった場合、29%が必要になります。
プリフロップレイザーのレンジ
カットオフ(コーラー)のレンジ
これら2つの範囲に対する6♦5♦のエクイティは次のとおりです。
6♦5♦のエクイティ
貴方のポジションは二人に対して有利であるため、ハンドのエクイティが高まる可能性はありますが、後ろのプレイヤーからのスクイーズの可能性も考慮する必要があります。
後ろにいる2人のプレーヤーのうちの1人は、約10%の確率で3ベットします。その場合、フォールドしてエクイティを失うことになります。さらに、後ろのプレーヤーは高い割合でコールし、その場合65sのハンドエクイティを低下させます。
これらの要素を正確に計算することは不可能ですが、仮にネガティブな要素とポジティブな要素が相殺されたとすると、(つまり画像の通りのエクイティだったとすると)約3〜5%のエクイティが不足することになります。
とはいえ、例えば後ろのプレーヤーがスクイーズする可能性が低いことがわかっている場合などには、オーバーコールが利益的になるケースがあります。
5.ショートスタックの3ベットに対してコールしない
スーテッドコネクターは、ディープスタックの3ベットを相手には有利にコールすることが出来るケースが多いですが、有効スタックサイズが約50BB以下の相手に対しては、その価値の大部分を失います。
この理由は、ディープスタック相手には存在する大きなインプライドオッズが減少するためです。結果、潜在的な勝利と比較して、フロップを見るために支払うチップが多くなり、利益的ではなくなります。
例を見てみましょう。
相手のスタックが100bbの場合:100bbに対し、5〜6.5bbでコールします。このケースでは、プリフロップでの投資の16〜20倍を潜在的に獲得できる可能性があることになります。
相手のスタックが50bbの場合:50bbに対し、5〜6.5bbでコールします。このケースでは、投資の7.5〜10倍しか獲得できないことになります。
上記に加え相手のスタックが少ない場合には、ポストフロップでのフォールドエクイティが減少します。これは、相手はより多くのハンドでポットにコミットすることになるためです。
まとめ
避けるべきシナリオとその理由を理解すれば、スーテッドコネクターをプレイすることはそれほど難しくありません。スーテッドコネクターは時として、とても刺激的で魅力的に感じられるため、ついポットに参加したくなってしまいますが、きちんとレンジを守ってプレイすることが多くの場合で貴方のチップを守り、増やすことに繋がるでしょう。本記事で紹介した5つのポイントを踏まえてスーテッドコネクターを楽しんでいただけると幸いです。
参考URL: Suited Connectors: 5 Strategic Mistakes Poker Players Should Avoid https://upswingpoker.com/suited-connectors-poker-strategy/