ポーカーを始めるプレイヤーにとって、「どうやれば、勝てるのか?」は大きな悩みだと思います。ここでは、ポーカーの最も基本的な戦略について見ていきましょう。
原則①
「勝ってるときに、ポットにチップを入れる。負けているときに、ポットにチップを入れない。」
上記をまず考えましょう。
勝っているときは、そのポットを獲得できる可能性が高いので、ポットを大きくすべきです。これは仮にベットをして相手が降りてしまったとしても、ポットを取ることができるので正しい行動です。勝っているときに、「相手からチップを引き出してやろう。」と考え、チェックをすると相手にフリーカードを与えてしまい、最終的にフラッシュが完成して逆転されてしまうということが考えられます。
一方、負けているときは、負ける可能性が高いのですから、相手のベット・レイズにコールするのは間違ったプレーになります。もちろん、現時点で相手に確実に負けていると分かる状況は少ないでしょう。ですが、「おそらく、負けているだろう。」と思われるような状況では、素直に降りるのが正しいプレーになります。初心者の中には、「ブラフで相手を降ろせばいい。」と考える人もいますが、ブラフは戦略の1つであるため、原則としては負けているときは無理にブラフをせず、降りることが妥当なプレーと言えます。
ここでプリフロップについて考えてみます。プリフロップで最も強いハンドはAAであり、最も弱いハンドは2,3(オフスート)です。フロップを開いて見なければわからないのがポーカーの面白いところですが、相手より弱いハンドでフロップを見に行くことは、期待値で考えるとマイナスのプレーになります。テキサスホールデムは、SB・BBでなければ2枚のカードをチップを払わずして見ることができます。自分が弱いカードのときに無理をしてチップを払う必要はありません。
原則②
ポーカープレイヤー兼理論家のDavid Sklanskyは、ポーカーの原則を以下のように言っています。
「[相手のハンドを全て見ることができた場合の自分のプレー]と[実際に自分が取ったプレー]が異なる時は相手が利益を得る。[相手のハンドを全て見る事ができた場合の自分のプレー]と、[実際に自分が取ったプレー]が同じである場合は相手が損失を被る。
逆に[自分のハンドを全て見る事ができた場合の相手のプレー]と、[実際に相手が取ったプレー]が異なる時は自分が利益を得る。そして[自分のハンドを全て見る事ができた場合の相手のプレー]と、[実際に相手が取ったプレー]が同じである場合は自分が損失を被る。」
要するに「相手のハンドが見えている時と同じプレーができれば、勝てますよ。」ということですね。図を使って見てみましょう。
あなたが上の図でプレイヤーAの立場ならどういうアクションをしますか?「ダイヤが2枚落ちている。相手が2枚ダイヤを持っていた場合、フラッシュを作られる可能性がある。既にストレートができているかもしれないが、8か9が落ちたら、相手にストレートが完成してしまうかもしれない。ベットしよう。」と考えるのではないでしょうか。筆者はベットします。
あなたが上の図でプレイヤーAの立場ならどうでしょうか?プレイヤーBのカードが見えています。「既にストレートが完成している。さらにフラッシュになる可能性もある。自分が勝つには、ターン・リバーで4カード or フルハウスになるしかない。チェックする。」と考えると思います。
相手のカードが見えているときと見えていない時でアクションが変わりました。[相手のハンドを全て見ることができた場合の自分のプレー]と[実際に自分が取ったプレー]が異なる時は相手が利益を得る。ということになります。
もちろん、相手のハンド見えることはないので、これはあくまでも理論の話だと思います。筆者は、David Sklanskyの言葉から、「相手のハンドを読むことを怠らないようにする。相手のハンドを読み理想のプレーをすることが勝利への近道。」と理解しています。
原則③
オッズにあったプレーをすることです。
オッズについては、この記事をご覧ください。
相手からベットに対し、「現状負けていそうだが、次のカードがハートであれば、フラッシュが完成して逆転できる。」という時にコールする必要があります。この時、どんなときもコールしてよいわけではありません。相手のベット額がオッズにあっていれば、コールしてよいことになります。オッズに合わないベット額の場合は、降りるようにしましょう。
上の図であなたがプレイヤーAだったとします。また、山札にダイヤは9枚残っていると仮定します。リバーでダイアが落ちる確率は18%とします。
<オッズに合うシチュエーション>
「ポット:30、プレイヤーBのベット額:8」
このとき、あなたがコールするとポットは合計で48(30+8+8)になります。
オッズを計算すると8 ÷ 48 = 0.16666 = 16%になります。リバーでダイヤが落ちる確率は18% (> 16%)なので、オッズに合うシチュエーションです。
<オッズに合わないシチュエーション>
「ポット:30、プレイヤーBのベット額:40」
このとき、あなたがコールするとポットは合計で1100(30+40+40)になります。
オッズを計算すると40 ÷ 110 = 0.36363 = 36%になります。リバーでダイヤが落ちる確率は18% (< 36%)なので、オッズに合わないシチュエーションです。