本記事では、ドンクベットについて記載します。ポーカーをやっているとポジションが悪いところで、先にベットをすると「ドンクかよ!」と言われることがあります。これはドンクベットを指しています。
ドンクベット
ポジションが悪いプレイヤーがアグレッサーよりも先にベットを行うことを指します。通常、ドンクベットのドンクは"ドンキー"が語源となっており、「バカなベット」「下手糞なベット」と言われています。なので、一般的にはヘタプレーとされています。
アグレッサーまでチェックで回す
ドンクベットを知る前に、まず「アグレッサーまでチェックで回す」という戦略を知る必要があります。この内容についてまず見て行きましょう。
上は6人テーブルのプリフロップのアクションです。プリフロップ時点で最も強いハンドを持っているのは誰でしょうか?ここでは、カットオフ(CO)になります。まず、BBとCO以外のプレイヤーはフォールドしているので、強いハンドは持っていないでしょう。BBは、COのレイズにコールしています。つまり、「リレイズできないハンド」ということになります。もちろん、AAを持っていて相手を罠にはめようと考えている可能性もありますが、一般的な戦略に則っているのであれば、「リレイズできないハンド」でコールしていることになります。
フロップが開いた後、フロップのカードにもよりますが、BBがチェックしてCOまでアクションを回すのが一般的な戦略になっています。ポーカーは、相手のカードは見えないので、これまでのアクション(ベットやレイズ)で相手のハンドを推測することになります。プリフロップのアクションでCOが「最も強いハンドを持っている」ということになっているので、「その人のアクションを見てから、他のプレイヤーはアクションを考える。」というのが一般的な戦略になっています。
例を挙げます。上記のプリフロップ後にフロップが開いた後が以下だったとします。
<フロップ>
<BB>
BBはトップヒットグッドキッカーなので、COよりも先にベットをしたとします。このとき、COからレイズが返って来たときに、BBは難しい状況を迫られます。COはがAA、KK、AQなどのハンドを持っている可能性は十分に考えられるので、レイズにコールすることが難しいです。自分から難しい状況を作り出さないために、まずはアグレッサーにアクションを回すのが一般的な戦略となります。
ドンクベットとなるシュチュエーション
上記のシュチュエーションが多いですが、それ以外にもアグレッサーより先にベットするという状況はあります。以下、例になります。
①プリフロップで「BTNがレイズ」⇒「BBがコール」⇒フロップで「BBが先にベット」 ※上記のシチュエーション
②プリフロップで「UTGがレイズ」⇒「COがリレイズ」⇒「UTGがコール」⇒フロップで「UTGが先にベット」
③フロップで「BBがチェック」⇒「BTNがベット」⇒「BBがコール」⇒ターンで「BBが先にベット」
ドンクベットをする理由
ドンクベットを行うプレイヤーは、何を目的にドンクベットをするのでしょうか。以下の5つのケースを考えてみます。
①自分がワンペアを持っている。
②ドローを引きたい。
③ドローを引かせたくない。
④自分が強力なハンドを持っている。(ツーペア、セット)
⑤ブラフで降ろしたい。
自分がワンペアを持っている。
フロップが開いて、自分がトップヒットやミドルヒットを持っているとします。相手が2オーバーであるときに、フロップ時点ではこちらが勝っているので、相手を降ろしたいと考えるのが一般的です。
ドローを引きたい。
フロップが開いたときに、フラッシュドローなどドローはハンドになったときは、安く次のカードを見たいですね。なので、先に打って相手がコールで留めるのは期待します。これは、ブロックベットと捉えることができます。
ドローを引かせたくない。
こちらが良いハンドのときに、フラッシュドローが見えているボードであるとします。こちらがチェックして、相手もチェックするとフリーカードを与えてしまうので、自分が勝っていると思えるときは、先に打つのも一つの戦略だととらえることができます。
自分が強力なハンドを持っている。(ツーペア、セット)
フロップが開いたときに、ツーペア・セットができているときは、誰しもが多くバリューを取りたいと思うでしょう。ポットを膨らませようと先に打つこともありえます。相手プレイヤーがそれにコールやレイズをしてくれるのであれば、大きく利益をとることができるので正しい選択となります。一方で、すぐにフォールドされてしまった場合は、利益を取れないで終わるため、誤った選択となってしまいます。
ブラフで降ろしたい。
これは単純に、先に打って、何もないないプレイヤーを降ろしたという目的ですね。初心者では、CBをよく打つ相手にこういった行動をする人が多いようです。
結局、ドンクべットはしない方がよいのか?
結論はありません。ポーカーでは、様々な戦略を混ぜ合わせて行う駆け引きのゲームです。そのため、ドンクベットが有効な手段であり、愚かなアクションでもあるということになります。1ハンドで見れば、基本的にはポジションが悪いところでポットを大きくしているので、良いプレーとは言えません。しかし、ドンクベットを自分のアクションに織り交ぜることで、相手を困惑させることができます。