本記事では、HUDを使って対戦相手を分析して、相手の傾向に応じたアクションを取って、弱点を突いた戦い方をする方法を紹介します。
第1回ではプリフロップの最も基本的な指標であるPFRとVPIPについて紹介しました。第2回である今回は、3Bet関連の指標について紹介します。
第1回 VPIP,PFRについてはこちらの記事を参照ください。
本記事で紹介する内容はあくまで一般論で、全てのプレイヤーに同じやり方が通用するというわけでは無いということに注意してください。
HUDについては以下の記事も参考にしてください。
HUDを使用する際に意識したい3つの注意点~ヘッズアップディスプレイの使い方解説~
HUDを使って相手を分析し、弱点を突こう
HUDは相手の過去のアクションの記録から、様々な指標を数値化してリアルタイムに可視化してくれるツールです。HUDを使うと、「相手がどんなプレイヤーで過去同じ状況でどんなプレイをしたのか」がわかります。
本記事ではHUDでよく使われる指標(スタッツ)と、その値ごとの対戦相手の特徴を紹介します。
3Bet(TOT 3Bet)
3Betは、その名の通り対戦相手の3Bet確率を表しています。十分な数のハンド履歴がある前提で、この値は非常に有効です。3Betの確率が3%であるプレイヤーがいた場合、彼らのレンジはTT+,AQs+,AQo という範囲となり非常に強力なレンジとなります。
3Bet - 弱点を突く戦略
3Bet%の適正値は6-7%と言われています。これより極端に低い場合も高い場合も、弱点を突くことが可能となります。
・3Betが極端に高い場合(3Bet% 10%以上の場合)
3Betでスチールを狙ってくるタイプのプレイヤーである可能性が高いです。こうした相手に対しては、普段より少し広いレンジでコールしていくことができます。フロップで十分な強さのハンドができれば大きな利益を得ることができます。
Fold to 3Bet (TOT Fold to 3Bet)
Fold to 3Betは3Betに対してFoldする確率です。自分がオープンレイズを行い、他の対戦相手から3Betをされた際にコールもしくはリリレイズする確率を示した指標で、3Betを受けた際のアクションの傾向を分析することが可能です。
Fold to 3Bet - 弱点を突く戦略
Fold to 3Betの適正値は65-70%と言われています。この値が高いほど慎重なプレイヤーで、反撃に対して引きやすく、反対にこの値が低いプレイヤーは3Betされても引き下がりにくいということになります。
・Fold to 3Betが極端に低い相手(Fold to 3Bet - 50%以下)
Fold to 3Betが低い相手は弱めのハンドでも3Betにコール(またはブラフレイズ)しやすいということになります。こうした相手に対する戦略はシンプルです。「強いハンドでバリューベットを打つ」、「ブラフ3Betをしない」です。Fold to 3Betが低いプレイヤーは3Betによる攻撃を受けたときにマージナルなハンドで抵抗することが多いため、こちらがクズ手でブラフを仕掛けても効果が薄いです。それよりは、強いハンドでしっかりと3Betして、コールしてもらった方がお得です。
・Fold to 3Betが極端に高い相手(Fold to 3Bet - 80%以上)
Fold to 3Betが80%を超えるプレイヤーは、「慎重すぎる」、もしくは「プリフロップで微妙なハンドで参加しすぎている」のどちらかです。どちらの場合であっても、こちらの戦略としてはポジションのあるところからブラフを多めに仕掛けていくことです。
また、Fold to 3Betが80%を超えるようなプレイヤーは、殆どのハンドで3Betされたら降りるプレイヤーということです。こうしたプレイヤーがこちらの3Betに抵抗してきたら、こちらが早めに撤退する番、ということになります。