ヘッズアップディスプレイ

HUDを使用する際に意識したい3つの注意点~ヘッズアップディスプレイの使い方解説~

HUD(Heads Up Display:ヘッズアップディスプレイ)は便利なツールですが、使用するにあたってはHUDの情報に振り回されすぎて、自分のプレイが崩れてしまわないように、注意が必要です。本記事ではHUDを利用する際の注意点について紹介したいと思います。

HUD(Heads Up Display:ヘッズアップディスプレイ)に関してはこちらの記事も参考にしてみてください。

注意点1.十分な数のデータを取得してから判断する

HUDのデータを判断材料に使う前に十分な量のデータが集まっていることを確認しましょう。

HUDを利用すると、様々なデータを取得することができます。中には、行動確率を過去のログから表示してくれる機能もあり、代表的なところでは参加率(VPIP)やCB率、3bet率など様々なデータをリアルタイムで見ることができます。これにより、対戦相手のプレイヤーがタイトなのか、ルースなのか、アクティブなのかパッシブなのかといった情報を過去の統計から判断し、アクションを修正することができる点がHUDの強みです。しかし、ここで一つ大きな注意点があります。それは、データ量が充分でない場合は間違った判断をする可能性が高まるということです。

例えば、あるプレイヤー(プレイヤーAとします。)のVPIPが、40%と表示されていたとします。プレイヤーAとの対戦ハンド数は10ハンドでした。あなたはプレイヤーAが広いレンジで参加していると判断し、普段より広いレンジでブラフ3Betを仕掛けていきます。しかし、実はプレイヤーAは非常にタイトなプレイヤーで彼のレンジは13%のものでした。相手のハンドレンジを読み違え、あなたはドミネイトされたハンドで手痛い損失を被ってしまいました。

あなたがプレイヤーAと戦った10ハンドのうち4ハンドではAには非常に良いハンドが入っていたため、VPIPが高く表示されていたことが、今回、Aのレンジを見誤った原因です。これが100ハンド、300ハンドとAとの対戦を重ねるに連れてAが実は非常にタイトなプレイヤーだということが判明し、精度の高いプレイができるようになります。

プレイヤーの傾向を判断するためには、対戦相手であれば 最低でも 300ハンド・自分自身の分析を行う場合には30,000ハンドほどのデータを元に判断するようにしましょう。

注意点2.必要以上のスタッツを表示させない

HUDに必要以上のスタッツを表示させることはマイナスに働きます。画面は自分に必要な情報がシンプルで見やすいものにしましょう。

HUDは非常に便利なツールで 過去のログに基づいた様々な情報を表示可能です。その気になればプリフロップ~リバーまでの各アクションの統計を全て表示することだってできてしまいます。しかし、画面に一度にたくさんの情報を表示させてもそれが適切な判断をする助けにならなければ邪魔なだけです。

HUDの各項目の数値と、それによって自分の判断にどういった修正を加えるべきなのか、ということに慣れるまでは必要最小限の表示に抑えることをおすすめします。

注意点3.場の状況を考える

HUDの数字だけで判断せず、必ずその他の要素を踏まえて行動するようにしましょう。例えば、相手のスタック量はHUDでは考慮しづらいですし、相手のポジションがどこで、フロップでどういったカードが開かれたによっても行動は修正する必要があります。

極端な話で、十分なハンド数をプレイしてFlopでのCB率が90%のプレイヤーBと対戦することを考えてみましょう。彼のVPIPは20%でした。HUDの数字を見ると、プレイヤーBはプリフロップでアグレッサーの場合は殆どのケースでCBを仕掛けてくるようです。BがUTGからオープンレイズ、あなたはBTNで99でコールしました。

ケース1 : T67レインボー

このとき、相手のCBに対して どのようにプレイするのが良いか考えてみます。また、UTGからのプレイヤーでVPIPが20%なので標準的なレンジで行くと、相手のレンジで負けているハンドはオーバーペアのみです。ぎりぎりATも入りますが、その他のハンドには現状では勝っていそうです。

相手はプリフロップでアグレッションを持ったら、殆どの場合にCBを打って来ることがわかっているので、ポジションもありますし一度コールができそうです。

ケース2 : A67レインボー

このケースではどうでしょうか。 プレイヤーBのVPIPは20%である程度まともなレンジを持っていそうなことから、このフロップではAがヒットしている可能性が高いと判断できます。 相手はほぼCBを打ってくるため、依然として下ペアでの自動CBの可能性は残されていまが、通常は素直に降りておいたほうが良さそうです。

このように、HUDの数字はいろいろな状況における行動を集計したものが出るため、数字だけを見て、個別の状況に合わせて考えることをやめてしまうのは非常に危険です。

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