ここでは、相手のプレースタイルを見ながら、どういった戦略を立てるかについて述べます。
基本的な考え
「タイトなテーブルではルースに。ルースなテーブルではタイトに。」というのが基本的な戦略です。これは"タイトなテーブルではプリフロップでレイズをすればだいたいスティールできる。"とか"ルースなテーブルではプレミアムハンドを待って、勝てるときだけ勝負すれば大きく取れる。"と言ったことが挙げられます。
応用編
テーブルについた後に、他人のプレーを観察し、その人がどんなプレイヤーなのかを覚えましょう。ここでは大きな4種類のプレースタイルではなく、もう少し細かく見ていきます。
スロープレー
強いハンドを持っているのに、敢えてコールに留めて相手がベットしてくるのを待つスタイルです。よく"潜る"と表現されます。相手にハンドを読ませずポットを大きくすることを目的にしますが、リバーでストレートやフラッシュなどの強い役に逆転されるリスクがあります。
スロープレーを好む相手には、自分がトップヒットやオーバーペアであっても、それ以上のハンドを警戒した方がよいです。逆に自分がドローハンドのときは、リバーまでカードを見に行くことを優先し、強い役で勝負するのがお勧めです。
ドロー好き
ドローボードでは、いくら打たれても降りず、フラッシュやストレートを引きに行くプレイヤーです。ステーテッドコネクターでよく参加するプレイヤーに多い傾向です。ドローを引きに行くので、勝つときは大きく勝ち、負けるときは大きく負けます。分散が大きいプレースタイルです。
ドロー好きを相手にする場合は、しっかり打つことが基本的な戦略となります。オッズに合わないベットに対してコールしてくるので、ポット大きくして勝つことができます。一方、ターン・リバーでスートが落ちた時は潔くポットを諦める必要があります。ドロー好きのプレイヤーは、打たれてからコールまでの時間が短い傾向にあります。
ファストプレー
スロープレーとは逆のプレースタイルです。勝っているときに積極的に打って、相手を降ろさせます。利益を早く確定させるプレーです。逆転されることを好まず、勝っているときにアクションを起こすため大きく負けにくいプレースタイルです。
ファストプレーをする相手には、負けているときは潔く降りることがお勧めです。または勝負をかけるならリバーがよいでしょう。フロップで相手が打ってくる状況は、相手にトップペアやオーバーペアがあることがほとんどです。この状態でリバーまで行くと相手にフラッシュやストレートが入っていることは少ないです。自分のハンドがフラッシュでなくても、スートがボードに3枚落ちていれば、ブラフをすることができます。
トップヒット過信
トップヒット過信はトップヒットのときに自分がベストハンドとして、積極的に打ってくるプレイヤーです。また、トップヒットしている場合、レイズ・リレイズをいれても降りない傾向が強いプレイヤーです。基本的にはトップヒットは勝っていることも多いので、勝っているときにポットを膨らませることができます。一方、ツーペアやオーバーペアに大きく負けてしまう可能性があります。
トップヒット過信の相手には、AK,AQ,AJやオーバーペアが有効です。トップヒット過信するプレイヤーはQJといったハンドでゲームに参加することがあります。同じトップヒットでもキッカーで勝っている状態や、トップヒット以上のオーバーペアを持っている状態で大きくポットを取ることができます。
上級編
プレーだけでなく、その人の人となりや心理状況を見て、戦略を立てると相手を出し抜くことができます。これは初対面の人だと難しいですが、仲間内でのプレーでは効果を発揮します。
大きくポットを失った後のプレイヤー
「ティルトしてコールやレイズを積極的に行ってくる」か「一度慎重になる」こと多いです。1人のプレイヤーが大きく負けた後の行動はよく観察する必要があります。そのプレイヤーが次に大きくポットを失った後に、弱みに付け込むことができます。ティルトするプレイヤーならプレミアムクラスのハンドが入っていれば大きくレイズしてもコールしてくれるでしょう。慎重なプレイヤーにはこちらから積極的にレイズすることで相手を降ろすことができます。
大きくポットを取った後のプレイヤー
これは先ほどの逆の状況です。「チップに余裕ができ、ルースになる」か「一度固くなる」ことが多いです。特に後者のプレイヤーでは、前回のハンド大量のチップを入手しているのでチップ整理を行っていることがあります。このとき、「さっき大きく勝ったし、チップも整理したいから、ここは降りておくか。」という心理が働いていると考えられます。前者のプレーヤーには勝っているときはしっかり攻めブラフは少なめに、後者のプレイヤーには積極的に攻めると良いですね。
負けが続いているプレイヤー
これは身内のホームゲームなど、定期的に決まったメンバーでポーカーをしている場合です。負けが続いているプレイヤーは、多くのプレイヤーが「今日はしっかりプレーして、まずはプラスで終わりたい。」と考えます。特にゲーム開始直後はタイトなことが多いです。こういったプレイヤーには積極的に攻めると効果的です。ただし、ゲームの中盤や勝ち始めたときは要注意です。「今日はいける」と勢いづいたときはなかなか降りませんし、アグレッシブに攻めてくる傾向が強いです。相手のスタック状況と心理状況を把握しましょう。
マネープレッシャー
主にキャッシャゲームで見られる内容です。「今日はいくらまで使うか。」を決めてプレーしている人はマネープレッシャーに弱いと考えられます。例えば、「今日は負けても100BBまでにする。それ以上は損しない。」と決めているプレイヤーがいたとします。そのプレイヤーが100BB失った後、追加でチップを購入していた場合は、だいたいが「プレミアムハンドのときしか勝負しない。」ということを考えています。こういった相手にはスチールが有効です。また、ペアボード・フラッシュボードのときにオールインをすることも有効です。「これ以上、損できない。」と思っているプレイヤーはコールできないからです。
原点を気にするプレイヤー
誰しもそうですが、収支をプラスで終わりたいと思います。その中で、原点(バイインした金額)を気にするプレイヤーは多いと思います。自分のバイイン分のチップを一つの山として積み上げ、勝ち分を別の山に積んでいるプレイヤーはこの傾向が強いです。こういったプレイヤーはベットするときも、原点の山を崩さないように勝ち分の山の範囲でチップを選択する傾向にあります。こういったプレイヤーには原点を境にしたベット額が効果的です。もし、相手を降ろしたい場合は原点の山を崩さなくてはいけない額のベットを、コールして欲しい場合は勝ち分の範囲内のベット額を選ぶとよいでしょう。特にゲーム終盤(XX時にゲーム終了といたハウスゲーム)では、フォールドさせたいときはより効果的です。「今日はプラスで帰ろうよ。フォールドしなよ。」と言った発言が相手の心に刺さります。