本記事では、HUDを使って対戦相手を分析して、相手の傾向に応じたアクションを取って、弱点を突いた戦い方をする方法を紹介します。
本記事で紹介する内容はあくまで一般論で、全てのプレイヤーに同じやり方が通用するというわけでは無いということに注意してください。
HUDについては以下の記事も参考にしてください。
HUDを使用する際に意識したい3つの注意点~ヘッズアップディスプレイの使い方解説~
HUDを使って相手を分析し、弱点を突こう
HUDは相手の過去のアクションの記録から、様々な指標を数値化してリアルタイムに可視化してくれるツールです。HUDを使うと、「相手がどんなプレイヤーで過去同じ状況でどんなプレイをしたのか」がわかります。
本記事ではHUDでよく使われる指標(スタッツ)と、その値ごとの対戦相手の特徴を紹介します。
VPIP%
VPIP%は最もシンプルで最も有効なスタッツの一つです。VPIP%が示しているのは「対戦相手がプリフロップで自発的にポットにお金を入れる確率(%)」です。「自発的に」とは、例えば、プリフロップでのオープンレイズ、コール、SBでコンプリート(コールする)などのことです。
プレーヤーのVPIPが高いほど、ルースなプレイヤーであるということです。反対に、 VPIPが低いほど、タイトにプレイしているということになります。
6-MAXのゲームでプレイしている場合、平均的なプレイヤーのVPIPは19〜25%となります。
VPIP% - 弱点を突く戦略
対戦相手が上記の標準的な範囲のVPIPであった場合、相手のプリフロップでのハンドレンジはおよそ適正な範囲に収まっていると考えられます。反対に、対戦相手のVPIPが極端に高い/低い場合は弱点を突くことができるかもしれません。
VPIPが極端に高い場合(VPIP 32%以上の場合)
対戦相手のVPIPが極端に高い場合、相手が多くの弱いハンドで参加してきていることは明白です。ここでは相手の弱いハンドに対して、しっかりと優位に立てるハンドで参加してバリューをとっていきましょう。
・3Betで攻撃する
彼らのハンドレンジは非常に広く、様々なハンドでオープンしてきているはずです。その分、3Betに対しては降りざるを得ないケースが多くなります。ポジションのある場所でチャンスが有ればどんどん攻撃を仕掛けていきましょう。
・強いハンドで横綱相撲
こうした対戦相手は参加率が高いので、「強いハンドでしっかりバリューベット」というポーカーの王道プレイが非常に有効です。特に、こうしたプレイヤーは取り敢えず見に行ったフロップで中途半端なミドルヒットに対して降りることが難しくバリューベットが有効な場合が多いです。こうした場合に、自分がオーバーペアやセットなど、プレミアムクラスのハンドを持っていれば多くのバリューを獲得することができます。
VPIPが極端に低い場合(VPIP 12%以下の場合)
・直接対決を避ける
VPIPが極端に低いプレイヤーがいたら、彼が参加してくるハンドは全てプレミアムクラスのハンドと考えましょう。中途半端なポケットペアやAJなどのハンドでは、彼らのオープンレイズと戦うことは難しいです。ドミネイトされて危険な目に遭うことを避けると彼らの攻撃はおとなしくやり過ごしておいたほうが無難です。
・スチールを狙う
反対に、彼らがブラインドにいるときには自分のハンドレンジを広げて積極的に攻撃していきましょう彼らの対抗レンジ(オープンレイザーがいる場合にコールorリレイズするレンジ)は非常に狭いので、殆どのケースでフォールドしてくれるはずです。また、反撃されたら素直に諦めることも忘れずに。
※ハンドレンジについては以下の記事も参考にしてください。
PFR%
PFR%は、対戦相手の傾向を分析するに当たりVPIPと並んで重要なスタッツです。Pre Flop Raiseの略で、その名の通りプリフロップでレイズを行う頻度(%)を表します。標準的なPFR%の値はVPIP-5%前後と言われています。つまりVPIPが20%のプレイヤーであれば、PFRは15%程度ということになります。
残りの5%は、対戦相手のオープンレイズに対してコールドコールする確率です。
PFR - 弱点を突く戦略
PFRの値を使って弱点を突く方法は単純です。PFRが極端に低い相手はプリフロップで非常にパッシブであり、強いハンドでも攻撃してこない場合が多いです。そのため、そうした相手に対してはこちらが主導権を持って攻撃していくことができる状況を作ることで弱点を突くことが可能です。
PFRが極端に低い相手(VPIP-12%以上)
PFRが極端に低い、パッシブなプレイヤーの弱点を突く戦略は以下のとおりです。
・ブラフを仕掛けない
稀にプリフロップとフロップ以降のアグレッションが一致しないプレイヤーもいますが、PFRが低いプレイヤーは概してパッシブであり、中途半端に強いハンドでは攻撃してきません。そのため、こちらもバリュー別途ができる強いハンドでのみ攻撃するようにし、セミブラフを含むブラフの頻度を少なくしましょう。
そうすることによって、ハンドが弱いときには最小限のコストで次のカードを見に行き、ハンドが強い場合は最大限にバリューを引き出すことが可能となります。